住宅ローン審査の7つのポイント

住宅ローン

前回は申込みからご融資までの流れをご紹介させていただきましたが、実際に事前審査(仮審査)・本審査では何を審査されるのか、審査が通るためのポイントをご紹介させていただきます。

金融機関によって異なりますが、事前審査(仮審査)の審査を行い、その後の本審査となります。本審査では事前審査(仮審査)時に提出された申告内容と本審査時の申告内容に相違がないかの確認や、本審査で提出された書類をもとに「健康状態」と「物件の担保評価」をあわせて総合的に融資してよいかの判断のため、事前審査(仮審査)よりも細かな審査となります。

そのため提出しなければならない書類も数が多くなるため、審査期間についても、事前審査(仮審査)よりも長くなります。

審査のポイント

審査されるポイントについて、申込者の信用力を量るための判断材料となる年齢、年収、勤務先、勤続年数、家族構成などの特性のことを属性と言います

①年齢

属性の中でも重要視されるポイントとしては、「年齢」が挙げられます。多くの金融機関は、住宅ローン申し込み時の年齢を「満65歳~70歳未満(満20歳以上)」、完済時の年齢を「満80歳未満」と定めています。(満85歳完済まで延長された銀行もあり)

つまり、高い年齢の方は、融資をしてもらえないケースが多く、申し込み時の年齢が満70歳未満であっても、50歳を超えていると融資条件は厳しくなる可能性が高くなります。

定年後も返済が続く場合、「定年退職後、どのように返済していくのか」という資金計画を考えていくことが大切です。(退職金・年金などを受け取り等)

②勤務先

「勤務先」については「収入の安定性」「継続性」を中心に判断されます。

経営者や個人事業主の場合、「収入の安定性」という面では、一般の会社員(正社員)や公務員などと比べると不利になりやすいです。

「継続性」という面では、一般的な会社員や公務員の場合、「勤続年数」がチェックポイントとなります。審査基準は金融機関によって基準はさまざまで、1年以上の在籍が必要というところもあれば、6カ月や1カ月でも審査可能とする金融機関もあります。

基準は金融機関によって異なるため、自分が基準を満たすかどうか各金融機関に事前に確認が必要です。

③返済比率

返済比率とは、年収に占めるローン返済額の割合のことです。
数式で表すと

返済比率(%)=年間返済額÷税込み年収(額面金額)×100

返済比率には上限が設けられており、金融機関では25~35%以内と定められている事が多いです。
この上限を超えると、借り入れ金額は年収に対して過剰であるとみなされ、審査は通りにくくなります。

※注意※

住宅ローンの契約をする際、実際に返済で適用される適用金利のほかに、審査されるときだけ使用される審査金利という仮の金利があります。
住宅ローンの返済はほとんどが長期のため、将来的に情勢が大きく変わった場合でも返済できるよう審査金利は実行金利より高めに設定されています。
この高めの金利で返済シミュレーションを行い、万一返済の途中で金利が上がったときでも対応できるよう、金融機関がリスクヘッジしています。

審査金利は基本的に公開されていませんが、おおむね3%~4%で設定している金融機関が多いようです。

なかには全期間固定金利のフラット35のように適用(実行)金利=審査金利の金融機関もあります。

そのため、返済比率(返済負担率)を計算するときの金利が実際の適用金利か、審査金利かによって、同じ年収でも借りられる額が変わってきます。

④その他のローン状況

審査はすべての借り入れを含めた審査金利で計算されます。

そのため教育ローン、オートローン、クレジットカード(リボ払いも含む)などの支払い状況も計算に含まれます。

他の借り入れがあると借り入れできないということはありませんが、他にローンがあると住宅ローンの融資金額は縮小してしまいます。
また金融機関によっては、クレジットカードについているキャッシング枠も借り入れ金とみなされるため、注意が必要です。

⑤個人信用情報

個人信用情報とは、クレジットカードのリボ払いやカードローン、自動車ローンなどの個人の取引事実を記録したものです。

住宅ローン審査の際には、個人信用情報に延滞や債務整理などの履歴がないかをチェックされます。
この個人信用情報に長期延滞や債務整理などの履歴がある状態だと審査が厳しくなりますし、支払いの延滞が直近に複数回ある場合にも審査が厳しくなります。

⑥物件の担保価値

住宅ローンを組むと、金融機関は購入物件に抵当権を設定します。
購入物件を、担保に取って融資を行うため、購入物件が融資額に見合う価値を有しているかどうか審査の大きなポイントになります。

⑦健康状態

ほとんどの金融機関の住宅ローンの場合、団体信用生命保険(団信)に加入することが必須のケースが多く、健康状態も重要なポイントとなります。

過去に病気を患った人や現在病気を治療中の人でも、現在の健康状態を申告、また医師の診断書を提出することにより団信に加入できる場合があります。

また、普通の団信よりも金利が少し高くなりますが、審査基準が緩和された「ワイド団信」の検討や、住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して提供している「フラット35」のような団信加入が任意の金融機関も検討してください。

まとめ

今回審査の7つのポイントについてご紹介させていただきました。

この7つのポイントの中でも、住宅ローンの審査基準は金融機関によって異なり、一定の基準があるわけではありませんので、物件購入の際にはそれぞれの金融機関に確認・相談することをおすすめします。